土偶伝説
~Episode3~
 あれは――夜遅くまで何人かの友達と遊んだ帰り道だった。
 
 小学校を通り過ぎると、その先に俺の家がある。
 丁度、小学校の手前を歩いていた時に、聴きなれた携帯の着メロが鳴った。

 さっきまで遊んでいた友達の誰かだろうな。
 俺はそんなふうに思いながら通話ボタンを押した。


「もしもし、こんな時間に電話してゴメン。寝てた?」


 電話の相手は土偶だった。

 こんな時間にどうしたんだろう。


「いや、寝てないけど、こんな時間にどうした?」


「……うん。何か嫌な予感……し……」


 土偶の声は途切れ途切れになり、やがて通話が切れたことを知らせる無機質な音に変わった。

 あれ? 電波悪いのか?

 携帯のディスプレイを見ると、電波はあるようだったが、土偶に電話を掛け直しても、電話が繋がらなかった。首を傾げながら、俺の視界に入ってきたのは、小学校の前に一つだけ設置されている電話ボックス。

 溜息混じりに、しょうがね~なと呟き、俺は公衆電話に近寄ると、ギギギっと音を立てながら扉を開けた。

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