偽りの結婚



っ…まさか……


誰の腕に抱かれているのかは明白だったが、恐る恐る寝返りを打ってみた。





「っ……!!」


やっぱり…ッ……

目に入った光景に息をのんだ。



そこには、気持ちよさそうに寝ているラルフ。

私を腕の中に閉じ込めるようにして寝ている。


傍にいると寝付きが良いって言っていたけど、何も抱きしめて寝ることないじゃない…

こっちは貴方とソフィア様の事や昨日のキスで頭がいっぱいなのに。





ど、どうしよう…起きてくれないかしら。





しばらくラルフの腕の中で悩んでいると、ある朝の会話を思い出す。

確かラルフは僅かな振動でも起きるのよね。




< 174 / 561 >

この作品をシェア

pagetop