仮面舞踏会の一週間後―――


その日王宮では使用人たちが朝から忙しく動き回っていた。

しかしそこには仕事に追われて疲れている表情はなく、皆が嬉しそうに仕事をしていた。

そして王宮の一室では緊張の面持ちで椅子に座っている者がいた。






「シェイリーン綺麗だわ」


鏡の前で緊張でこわばった表情をする私を見て感嘆の溜息をつくアリア。

純白の生地に金色の刺繍のされたウェディングドレスに身を包み。

普段はあまりしない化粧をうっすらとのせていて、それだけでも自分が自分ではないように思えた。



今日はラルフとの二度目の結婚式が執り行われる日だった。

身内と僅かな友人を招いた小さな結婚式。




「来てくれてありがとう。アリアやベルナルドさんには感謝してもしつくせないわ」


緊張で表情が強張りながらも微笑む。





「きっと私だけだったらラルフに想いを告げようとは思わなかったから」


アリアやベルナルドさんに背中を押してもらわなかったら、今頃まだ一人寂しく泣いていただろう。




「シェイリーンが幸せになってくれて私も嬉しいわ」


自分の事のように嬉しがるアリアにじわっと潤む瞳。



「泣いちゃだめよ。お化粧が崩れちゃうから」


茶目っけたっぷりにウィンクしながら言うアリアの方こそ瞳が潤んでいる。