偽りの結婚



「そう、シェイリーン・スターン…ね」


私の名前を呟き、少し考える素振りを見せるラルフ。

やっぱりスターン家のことを知っていたのかしら。



けれど、落ちぶれた伯爵家のことなんて一国の王子が気に留めるはずもなさそうだし…

自分の名前を問われたことについて悶々と考えていると。







「君に決めたよ、シェイリーン」


ラルフが決心したように言葉を発した。




「決めた……とは?」


いきなり意味のわからない発言をする目の前の王子に嫌な予感を感じながら問い返す。





「僕の妃になってほしい」

「は!?」


本日二度目の衝撃を受けた。




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