円錐菓子「とんがりコーン」を指にハメた6歳
 棘の形をしてこそ、女の心構えと知った20歳
 
 それらの感情が「円錐」に機縁することに気づいたのはいつの頃だったか。 
 桃園むくげ、休日の話である。よろしく。

 休日は家でゆっくりするのが好きだ。

 客からもらった鉢植えの観葉植物に水をやって、部屋の掃除をしてから寛ぐ。

 歓楽街に住む以前、飲み物はミネラルウォーターが一番だと思っていたのだが、大人になってコーヒー紅茶を淹れる、ということを勉強して、好きな飲み物が変わった。
 その理由が、ドリッパーの形やら抽出時間を計る砂時計の形に由来するところであるのは、説明する必要もないだろう。

 あなたは笑うかもしれないが、私はコーヒーはコーヒー豆から、紅茶は茶葉から抽出するものという事実を中学入学まで知らなかった。

 創造論を信じていて、それぞれに進化論が存在するとは知らなかったのである。
 この話をすると皆、無学かつ低脳な女と笑うので、あなただけに話をすることにしたい。

 一目惚れも、創造論の一種ではないかと思う。

 私は石油王に一目惚れからの即ゴールインなどという小説のような世界もどこかしら憧れているのは事実であるが
 こうして時間をかけて淹れた飲み物と休日をのんびりと過ごしていると、恋からお付き合いに、お付き合いから愛に芽吹くという進化論の良さに、改めて感じ入るものがある。

 創造論も進化論も、あるがままに受け入れられる現代は、幸せな世界である。

 私の幸せの象徴たる円錐の心に近似した白馬の王子様との出会いは、いつになるのだろう。

 少なくとも、こうして家にいては始まらないのは事実である。

 進化というものは、歩を進めてこそ、生まれてくる変化である。
 午後は制服以外の私服を探し当て、袖を通して歓楽街から外へ出てみようかと思う。

 オンナは休日にこそ進化する。
 桃園むくげ、休日の話である。よろしく。

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