【中編】ひとつの愛
変×変－ＡＯ
『わからない』
俺が好きだと言ったら、愛姫はそう答えた。
恋愛として俺を好きなのか、それとも友達として好きなのか。
その違いがわからないと。
だから俺はそれがわかるまで待つ。そう言ったのに……。
あれ以来、どうも意識しちまって。
愛姫と目が合うと逸らしてしまうし、少しでも触れると退けてしまう。
わざとなんかじゃない。
反射的にしてしまう自分自身に、正直困ってる。
始めは、ただ振られるなんて嫌だから少しは困らせてやろう。
そんな事を思っていたはずなのに。
今じゃ困っているのは、俺だ。
