闇の花~2人の殺し屋~
ヒースもだったけど、冷さんの様子も変だ。
「…俺からは何も言えないんだ。悪いな、ラック」
冷さんの周りの空気が一気に暗くなった。
ヒースも鎖紺が出てきたときから様子がおかしかった。
何かイライラしていて…
まるで俺に話を聞かれたくないようだった。
さっきのヒースが鎖紺達と一緒に行った時、表情は見えなかったけど、すごくつらそうだった気がする。
「…なんで、ですか?」
「これはヒースの、月乃の過去に関することだ。俺が無断で話していいわけがないんだ」
「そう…ですか」
クソッ・・・
グッと拳を握った。
俺は…ヒースの、月乃のことを何もわかっていない。