さんざ語られてきた哲学

逃げるための正論

逃げるなと、人はよく言う。
立ち向かえ、戦えという。
でも必ずしもそうではないのではないか。

自分らしくいること、
自分を守るためにも
一目散で逃げることも必要だ。

変な義理やプライド、責任、執着、過信などに惑わされ、
自分の苦しみをおざなりに、他人の目を気にしていたとして、一体誰のためなのか。
果たして、役目を全うして、その時、他者の役に立ち、他者の喜びを呼んだとして、
確かにしばらくは恩恵を受けるかもしれない。
しかし、それは永遠に続くとは限らない。
永遠に続くのは、重ねれば重ねただけのイメージの重さと
それを続けるだけの負担。

自分らしくいること。
拒否すること、あるいは逃げること。
それにより、後ろめたさなど感じる必要はない。
わがままだと言われても、一体誰が大切なのかさえ見失わなければよい。
それは多数の人ではないはずだし、
自分の評価が落ちたとしても、大切なことさえ見失わなければ、生きていける。

自分を守ることも時には必要だ。
なぜなら、自分を幸せに出来ない人が、一体、誰を幸せに出来るというのだろうか。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop