恋時雨
恋時雨
幸せな一時を終えた安時は、まだ知らなかった。

これから起こる、悲しい現実をーー…。

「初香殿からの文です」

一人の男が、安時に文を持ってきた。

「…初香?」

うきうきしていると、たったの二行。

『今日お会いできますでしょうか。もしできましたら、猿の刻に森へ来てください』


不思議に思いながらも、安時は森へと向かった。

最近、隆教は邸に来ていないし、何かあったのか。
< 12 / 19 >

この作品をシェア

pagetop