溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
もっと好きになる




透子の切ない顔が俺の中から抜けない。

出張に出かけるぎりぎりまで…透子の部屋を後にするまで。

心のどこかで待っていたのは透子からの言葉。

辛そうに隠しているあらゆる事を俺に打ち明けるのを待っていたけれど。

結局、芯の強い透子の尊敬すべき長所が裏目に出た結果に苦笑してしまう。

空港に向かうタクシーの中でくすっと笑う俺を、運転手がミラー越しにちらりと見る。

そんな視線に気付かない振りで、流れていく景色に目を向けるけれど。

頭にあるのは透子の事のみ。
何度も泣きそうに歪んだ表情を俺に向けて…きっと心の中で葛藤していたんだろう。

正直に俺に話すか話さないか。

今日引っ越すんだろ?
設計デザイン大賞受賞したんだろ?
職場だって異動して、あの相模さんの下で働くんだろ?

そんな人生の大きな転機を俺に言わずにいる事に透子がかなり苦しんでいる事に俺が気付かないと思うのか?

10年側にいるんだ。

ずっと透子に溺れてるんだ…。

とうとう俺が部屋を出るまで黙ったままだった透子が苦しんでるのもわかるけれど。

この一週間をもっと悩んで悩んで。

身体全部で俺を欲しがれ。

離れていても切り捨てられない想いを確認しろ。

…そして、それに俺は賭けてるんだ。
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