偽りのプリンセス
.Glass shoes.



「このクツにぴったり合う足の女性を探しています」


ガラスの靴にぴったり自分の足が合えば、王子様と結婚できる。


そんな噂は耳にしていた。



「もしぴったりだったらどうしよ〜」


だけど私の家にも来るなんて思ってもいなかったし、


足のサイズで王子様と結ばれるなんてあり得ないと思ってた。


だから、楽しそうにはしゃぐ姉の心境が理解できない。


「さぁ、どうぞ」


私の姉が、透明な硝子の靴に足を入れようとしている。


だけど姉の足は大きくて、残念なことに途中でつっかえていた。


「次、あなたどうぞ」


そう言って硝子の靴を足元に差し出されたわけだけど。


何人もの人が素足で試したのかと思うと、少しだけ躊躇ってしまう。


「さぁ、早く」


「……はい」


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