嘘つき⑤【-sign-】
■冴木 花梨side■



◆花梨side◆


─────


「すごい会場だね」


少し緊張気味に苦笑する結城さん。縁のない眼鏡に調えられた髪型。えくぼの出来るその笑顔はいつ見ても癒し系だ。

「お付き合いしてもらってすいません」

あたしは申し訳なく頭を下げる。

「いえ、嬉しいです」

ストレートな彼の口調に自分でも自然に顔が緩んだ。


――――――――――――――…
――…
「結城さん?突然ごめんなさい」

週末を迎える2日前。あたしはペラペラの紙を手に携帯越しに控えめな声を出した。

「えっ!!冴木さんですかっ!はいっ、どうしました!!」

機会越しなのに慌てた様子が分かって苦笑する。
「実は、パーティがあって一緒にどうかなと思いまして」

「えっ、ぼ、僕でよければ!!」



結城さんの上擦った声は妙に柔らかい気分をくれてあたしは無意識に笑っていた。笑えるなんて。ズルい選択肢を選んだだけなのに。



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