ありのままのあなたでいい
第2章 私はうつ病体験者です

体調不良のきざし

私は、働く人たちのメンタルヘルス、
うつ病予防、うつ病復帰支援を
担当する保健師として
個別の相談や講演活動をしていますが、
過去に、うつ病で
仕事も仲間も自信も失った経験を持っています。

突然のめまいで始まったのです。
寝ていても、天井がぐるぐる回って
トイレに行くのに、這って移動するほどでした。
耳鼻科に受診したら 突発性難聴と言われました。

休養を勧められましたが、
当時の部署は、
保健師ひとり、
栄養士ひとり、
ケースワーカーひとりという
専門家が、ひとりづつ配置されていて
誰かが休むと、
誰も代わりができないという状態でした。



仕事を休むことができず、
昼休みになると
休養室で横になりながら、仕事を続けていると、
そのうち のどに あめ玉が詰まったような
違和感が出てきました。
頭に孫悟空の輪っかをはめられたように痛くて・・・
吐き気がしたり 下痢が止まらなくなりました。



買い物に行っても 何を買ったらいいのか 
考えられない・・・
台所にも立てなくて食べられなり、
体重が2ヶ月で 15Kgもやせてしまいました。

電車で1時間の職場に 
2時間かかってもたどり着けない。
やっと職場に着いても 
建物の中に入れなかったのです。



そして、とうとう水を飲むのも辛くなって、
壁伝いに 部屋の中を 歩くのがやっとでした。

気持ちが落ち込むと言うよりは、
からだが心の疲れに気づかせようと、
一生懸命だったんだと思います。

私の性格は 自他ともに認める
明るく元気で 前向きな方で、
「うつ」とは、真逆だと思い込んでいました。

おかしいな? とは思っても
自分で認めることができず

こんな状態になって、
やっと精神科を受診しました。
初めてのめまいを経験してから、
すでに3年が経っていました。
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