【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
「何やってんだよ。小石一つも落ちてないのに、どうやったらこけられるんだよ」


「いたたた……ふぇ~ん、だって~」



 茜は鼻に砂をつけて、顔だけ起き上った。


手を差し伸べて、起きる手助けをしようと思っていた俺の手が引っ込む。


「怜央ちゃ?」


 俺の手を取ろうとした瞬間に、手を引っ込められた茜は、鼻に砂をつけた顔のまま、きょとんと俺を見た。



……鼻に砂がついて間抜け面だったから驚いたわけではない。



間抜けな茜なら、昔から嫌というほど見ている。




俺が手を引っ込めた理由は……

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