そして世界は救われるのです
そして入会したのです
 そう。
 きっかけは極々単純なものだった。



「ディモブライト恩師万歳ぃぃぃぃい!!!!」

 全身黄土色の、ディモブライトTシャツを着た集団に混じり、俺は叫んだ。

「ああ! 恩師がこっちに来られるわ!」

 集団の中から女の声が聞こえた。 その言葉で一同静まり返り、恩師に意識が向く。


「アナタガタニ、ヒカリヲサズケマス」


 奇跡が起きた。
 恩師の体から光があふれ、それは人が密集するこの場所に吸い込まれた。


「お、おんしのみちからがぁぁ!!」

「あ、足の怪我が完治した…」「ずっと見えなかった目がみえるぞ!」「肩の痛みがだんだんとれていく」「疲れがとれた」


 光をうけた群集は、病気が治り、怪我が治り、疲れまでとれた。


「恩師様ぁあ! ディモブライト恩師様万ざぁぁっぁい!!!」


 ふたたび、一同は騒ぎ出す。



「すごい…すごすぎる」

 恩師の奇跡を目の当たりした俺は、そう呟くしかなかった。


 そう。
 俺が、このディモブライト研究所に入会したきっかけは単純だ。











 奇跡をみてしまったから、だ。





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