─ Alice ?─



***



「つ、疲れた…。」


「…………。」


「一体どれだけ
歩くのよ…。」


「…………。」


「チェシャ猫は
疲れないの??」


「…………。」



「…………バ「んだとっ!!」」



まだバしか
言ってないのに…
自覚症状あり??


「俺はアホ猫でも
バカ猫でもない。
…チェシャ猫だ。」



うん当たり前。



ちょっと
ふてくされている
チェシャ猫が可愛く見える。

「それより……。」



珍しく真剣な顔で
チェシャ猫は続ける。



「この先、扉がある。
が、絶対に開けるな。
いいか??
何があっても、だ。」



何よそれ。
何のための扉よ。



明らかに
不信感たっぷりな
顔の私を無視して
話を進める。



「扉は意志がある。
アリスを欲しがる。

それに……



いや、なんでもない。

とにかく!!
何があっても
絶対に開けるな。


いいか、絶対だぞ!!!」



納得はできないものの
あまりのチェシャ猫の
必死さに渋々返事をする



なんで開けちゃ
駄目なのかな…?








『 知りたいですか? 』
< 39 / 397 >

この作品をシェア

pagetop