雪情
【車酔いー2】


「そういえば刑事さん。

刑事さんの予定では
すでにこの山を
越えている頃ですよね?」






コーヒーを飲み終えた
大久保が話しかけてきた






「ああ、
こんな風に
遭難さえしてなければ
もう山を越えていたね」






「私たちは
ここに泊まると
言ってあるので
誰にも心配されませんが

刑事さんの仲間は
遭難したと
気付いている頃では
ないですか?」






すると
横から小川が大久保に
話してきた。






「遭難だと?

俺らにとってみたら、
こんなこと
遭難の内に入らないがな

刑事さんが遭難なら
俺らまで
遭難ってことか?」






「いえ、
刑事さん達にとってみたら
遭難の内に入ると
思っただけですよ」





「でも遭難ってのは、
食料もなく
寝ることもなく
帰れない状態の
ことだろ?

ここは何でもあるし、
今は帰れなくとも
吹雪が止めば
簡単に帰ることが
できるだろ。

遭難とは呼べねーよ」





「まあ、
それもそうですね。

それで刑事さん、
仲間は
あなたが帰ってこない
異変に気付きませんか?」






田崎は考えた。




そろそろ、
誰かはこの事に
気付いている頃だろう
< 100 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop