雪情
【決意ー13】


そんな田崎も、
もう体力の限界である。






ここに来て
一睡もできず、

ずっと
白井を監視していたので
精神面でも疲れが
溜まっていたのだ。





本当なら
今頃田崎も気持ちよく
眠っていたはずだが、

川上が出て行き、
寝るに寝られない
状況になってしまった。





こんな状況下の中、
グッスリ寝られるほど

田崎の神経は
図太くないのである。





だが我慢するも、
疲れは顔に出てしまった






「大丈夫ですか
刑事さん?

顔色良くないですよ」






大久保が
心配そうに聞いてきた。






「いや、
そんな心配なさらずとも
大丈夫ですよ」






そう元気良く
答えて見せた。






田崎は
まだ人と話している分、
眠気には負けなかった。






「やはり、
少し休まれた方が
いいですよ?」






「ワシは
まだまだいけますよ。

今は
早く川上さんを
連れ戻さないと
ならないですからな」





「ですが、
さっきから刑事さんを
見ていると、
大丈夫そうでは
なさそうですが……」





確かに
田崎は誰から見ても、

疲れていると
一目で分かる顔を
していた。






「では、
川上さんが戻り次第
寝るとするよ」






「そうですか、
うまく戻ってくれれば
いいのですが」






「まったくそうですな…」





「ですね………」





「………」





言葉が途切れ、

また部屋の中は
静かになってしまった…
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