地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
*第七章*

†甘えっ子かぐや姫

――陸Side――

地獄………。

生き地獄だ…。


部屋の中は、冷房が効いているので、快適なんだが───…。


俺の腕の中にいるヤツ──…。

俺の地獄を作っている張本人。


「……ちょっと離れろ」

「や!」

「………」


プイッと顔を背ける。

だが、抱き着いてくる腕の力は、まったく落ちない。

ギューっと胸を押し付け…顔を俺の首筋にうずめた。


「……生殺しだろ」


ハァ…とため息をつく。




一夜明けて、土曜日。

東雲から、俺ん家に連れて帰って来た。

体温計で測ると、杏の熱は、依然として…高いまま。

39℃台から…下がらない。


「…冷えピタ貼ってんのにな」

「あ――?」

キョトンとした大きな瞳が、俺を映す。
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