恋愛一色
~第一章・序盤~
俺は恋愛なんてゲームだと思っていた。


くだらないただのお遊びにすぎない。


暇潰し…そうとしか思っていなかった。



でもあなたに出会って俺の中の恋愛という考えが変わったんだ──…



沢村響。


俺の両親の顔は知らない。

俺の両親は、俺を産んですぐに俺を捨てた。


施設に預けたのだ。


だから俺は父親の顔も、母親の顔も見たことがない。



周りの人達から《可哀想》などと思われたくなかった。


両親がいなくても俺は生きている。



ちゃんと生きているから。


だから俺は笑うんだ。


悲しい気持ちを押し殺してまで笑顔を作る。



それが、今の俺。


でも、あいつの前ではこんな偽った姿を見せることは出来ないんだ。



小さい頃から常に一緒にだった。


俺の家族みたいなヤツ。




『遥斗!』



俺はお前の前でしか弱音を吐かない。
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