ADULT CHILDREN

死にたい。生きたい。

落ち込んで家に帰るとタイミング悪く玄関で母に出くわした。


我が物顔で私を隅にやる母におかえりなさいと声をかける。


母は泣いた跡を気にする私に見向きもせず
乱雑に靴を脱ぎ捨て部屋へ入っていく。


いつもなら母の機嫌を伺い手伝いをするはずも、この日ばかりはそんな気分になれなかった。



部屋に荷物を置き、お茶を飲みに台所へ向かうと母は煙草をくわえ、缶珈琲を飲んでいた。


お茶を飲む私にあれをしろ、これをしろと次々に指図してくる。


気分が乗らず、ついはいはいと嫌そうな顔を見せてしまった。


母はそれを聞き流してはくれない。


「こっちは働いてきてるんだ」


「誰のおかげで学校に行けているんだ。ご飯が食べられるんだ。」


「私があんたぐらいの年の時はあんたみたいに幸せじゃなかった」


次から次に出る突き刺すような言葉から逃げるように部屋に戻る。


部屋で耳を塞いでも、母は私に聞こえるようにわざと大きな声で嫌みを言い続けた。






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