狂愛ラバーズ

急用で仕事が入ってしまったのかと思って近くのカフェで待ってたのに新名さんは現れない。





お父さんからとても優秀な社員で課長を努めていると聞いたから電話するのにも躊躇ってしまった。




なのに、やっと現れた新名さんは男女の集団に混ざり、仕事じゃなかったんだと一目でわかった。





漸く私に気付いて謝って来たけど、許す事なんて出来なかった。





｢かれんちゃん、それじゃ新名さんが可哀想だと思うの。｣





瑠璃ちゃんに話終ったらそう言われてしまった。





｢どうして?私、ずっと待ってたんだよ?ちゃんと約束もしたんだよ?｣


｢うん。でもね、おあいこじゃないかな?お見合いの日にかれんちゃんが逃げ帰ったって言ったけど、新名さんは許してくれたんでしょ?一昨日の事だって、話はわかるけど新名さんもちゃんと謝ってくれたんじゃないの?｣


｢それはっ………でもっ。｣


｢それにね、人間誰にだって忘れてしまう事はあるよね。新名さんは天宮本社で働く課長さんなんでしょ?人一倍仕事を頑張らないといけないんじゃないかな?｣


｢うん………そうかも。｣