クルースニク
第四章
翌日、暇つぶしにメイド同士の会話を聴いていた。

すると興味深い情報を手に入れた。

それは父がこの家の何処かに遺産を隠していると言う事。

遺産の在処は屋根裏部屋らしい。

行って本当かどうか確かめてこよう。



屋根裏部屋なんて一度も入った事が無かった。

と、言うよりも使われていない為、誰も中に入ろうとはしないのだ。

その為、部屋には大量のホコリが積もっていた。

これだけのホコリが積もっていては足元が滑ってしまう。

気をつけないと、、、などと思っているうちに足を滑らせ壁に頭をぶつけてホコリまみれの床に倒れてしまった。

辺りには粉の様にホコリが宙を舞った。

頭をぶつけた衝撃で壁に掛かっていた油絵が落下し、俺の頭を直撃した。

二度も頭に衝撃を受けるとクラクラする。

絵を戻そうと立ち上がると壁に取っ手の無い小さな扉を発見した。

扉の中央には鍵穴があった。

恐らく油絵で隠されていたのだろう。

となるとココには遺産がある事は確かだ。

後はココの穴に入る鍵を見つけるだけ。

俺は部屋を出た。

鍵のある場所は大体見当はつく。

多分父の書斎。

だが、俺は書斎の場所など知らない。

そこで、廊下を掃除している老いたメイドに聞いてみる。

「旦那様の書斎なら亮様のお部屋ですから、もうございませんよ」
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