クルースニク
第一章
今私は、私と同じくらいの子達で賑わう夜の街を散歩中。

さっきまで彼氏と居たのだが、喧嘩をして家を飛び出してきてしまったのだ。

当ても無く街中を歩いていると、後ろから声をかけられた。

振り返ると、そこには1人の男が立っていた。

「お茶しない?」

いつもならそんな誘いは断るのだが、何だか今日はその誘いにイエスと答えた。

彼をよく見ると、かなりのイケメン。

髪は少し長めで落ち着いた茶色。

背は170cm後半、細い体には白と黒の服がよく似合う。

歯を見せて笑う顔はとても爽やかで、自分の好みに合っていた。




彼と2人で近くの喫茶店に入った。

彼と向かい合って座る。

外では判らなかったが、目に赤いコンタクトレンズを付けていた。

「名前、何ていうの?」

突然の質問に私は困った。

お店に入ったものの、やはりこのままでイイのだろうか。

でも、彼を見ていると、そんな不安は自然と消えていった。

「横田美帆(ヨコダミホ)です。貴方は?」

「俺は櫻河亮(サクラガワリョウ)」

そう言って歯を見せて笑う。

その顔にドキドキしている自分がいた。

一時間くらい話した後、彼の家に招待された。

流石に家は、と思ったがやはり彼の笑顔を見ると断れない。
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