いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「久世君もなんとか言ってよ!!」

「付き合ってるのは事実だろ。何で隠す」

「ちょっとーーっ!!!!何言ってんのよっ!!それは学校だけでしょ!?」

「学校だけ?何だそれ」

「久世君!!!!」

この状況でしれっと言い放った久世玲人の言葉に驚愕した。


ちょっと待って…。嫌な予感がする…。


「姉ちゃん、やっぱ付き合ってんじゃん」

「菜都ったら、恥ずかしがっちゃって」


智樹とお母さんが、「なぁんだ」という顔をしながらニタニタと私を見ていた。


「久世君、菜都をよろしく頼むよ」

「ええ」

その横ではお父さんと久世玲人が、まるで「彼女の父に挨拶する彼氏」みたいな会話をしている。


なんなの…なんなのよこれは…。偽りの彼女をすればいいのは学校だけでしょ…。

1番の当事者である私はあんぐりと口を広げたまま、愕然とこの光景を見つめることしかできなかった。


その結果…。


ここでも私の意思とは無関係に、久世玲人は家族公認の「彼氏」となってしまった。



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