いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]

パニックの連続

どうしよう…。

久世玲人がご乱心だ…。


あれから、オムライスなんて味わう余裕は全くなく、詰め込むようにさっさと食べ終えて足早に店を出た。


早く用事を済ませて帰らなければ…。これ以上は私にも対応できない。


「ねえ久世君!これからどこに行くの?」

いまだに何をするのか聞かされていない。急かすように聞くと、久世玲人は「うーん…」と考えている様子だった。


「菜都はどこ行きたい?」


「……はい?」


どこに行きたいって言った?

何を言ってんだろう…。久世玲人の用事で、私は付き合わされているんじゃないのか?


「……え。用事があるから呼ばれたんじゃないの?」

「いや、別に」

「ええっ!?じゃあ今日のこの時間は何!?」


もしや…もしや…!!

冷や汗を流しながら聞くと、久世玲人は笑いながら言った。


「今日は菜都と一緒にいようと思って」

なっ…!!

この瞬間、顔がもの凄い勢いでボッと赤くなった。

< 179 / 446 >

この作品をシェア

pagetop