いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「うるせえな…」

サエコの声で起き上がった久世玲人が、面倒くさそうに顔をしかめていた。



「ねぇ、あの人久世君の彼女かな?」

「でも久世君機嫌悪そうだよ」

一緒にいた友人たちがヒソヒソと小声で話していた。


「久世君って恐いけど、見るだけなら目の保養になるよね!ねえ?原田さん」

「え!?う、うん…!!そ、そうだね!!」

私にふらないで!!

久世玲人に関することは一切耳にしたくない!


「久世君のことはいいからさ!早くお弁当食べない!?」

ね?ね?と、あの2人への注目をそらしたくて焦りながら提案すると、思いのほかその声はデカかったらしく、サエコがチラッとこちらに顔を向けた。

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