いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「座って待っててね」

とりあえずソファーに座らせ、傷の手当てをするため救急箱を探しに行った。


えーと、確かこの部屋にあるはず…。

あ、あったあった。


消毒液や絆創膏を取り出しリビングへと戻ると、久世玲人はいかにもといった感じで居心地悪そうにしている。


「まだ怒ってるの?すぐに済むから」

ぶすっとしている久世玲人の隣に腰を降ろし、体を向けた。

何も答えないが、明らかに機嫌が悪い。さっさと終わらせよう。


コットンに消毒液を染み込ませ、いざ、と顔に近づけた。


「ちょっと染みると思うけど…」


言いながら、傷口にそっと当てると、久世玲人の体がピクリと跳ねた。




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