爽やか王子と内気少女
放課後と言う事で、図書室は夕焼けに染まっていた。
日頃図書室を利用する人も少なく、当番である私以外は誰もいない。
静かな図書室には、グラウンドからの運動部の声が、窓を通して響いていた。
貸し借りをする人もいなければ、やる事も無いのでカウンターの椅子に座り本を読む。
いつもは弥生ちゃんも一緒だから、話をしたり二人で本を読んでるんだけど、
弥生ちゃんはまだ職員室から帰って来てない。
「ガラガラ」と音を立ててドアが開く音がして、「弥生ちゃんかな?」とドアに目を向ければ、
思いもよらない人物に目を見開いた。
「あれ?新垣。今日うちのクラスが当番?」
「なっ永井君…!」