爽やか王子と内気少女



最後の方は、呆れたように話をしていた。江角君の方が先輩のはずなのに、後輩君の方がずっとしっかり者のようだ。





「じゃあ、つまりは『付き合ってください』って言うのは、『放送部に付き合ってください』って事?」


今までの話を聞いていた弥生ちゃんが言うと、後輩君が「そういう事です」と答えた。



『放送部に付き合ってください』……って言う事は、私を放送部へ勧誘に来たらしい……







一部始終を見てたクラスメイトは、「なんだ~」「ビックリした」と口々に話ながら、自分達の時間を過ごし始めた。





私達は詳しい話を放課後する事になり、
後輩君は一人慌てたままの江角君を連れて教室を出て行った。





「ビックリしたね~」


私が苦笑いで言うと、弥生ちゃんが「本当、迷惑」と嫌そうに教室の入り口を見た。










「でもまあ、あいつは危機感覚えたんじゃないかな」



ボソッと田中君が言って、眠りに入ったようだ。




……危機感って?





 
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