乱華~羽をくれた君~【完】

悲涙---side Riku---





―――side Riku―――



「あれ?百合は?」



今日は広樹と美由紀と百合の4人で飯を食いに行く予定だった。


でもその場に百合の姿がない。



「あー、なんか家の用事でこれないって」



美由紀には連絡して俺にはなしかよ・・・?


最近百合の様子がおかしい。

何を話しても心ここにあらずって感じで。


でもときどき見せる笑顔は前となんも変わらない。


…もしかして、呆れられた?


好き勝手やってきたんだ、十分あり得る。


それともこの前の誕生日に遅刻した事、まだ怒ってんのかよ。

俺は何度も携帯を確認した。


この前家に行ったばっかだしな。

また連絡してうざがられてもな・・・



・・・ってどんだけ俺、あいつに夢中なんだよっ

なんでこんな女みてーに悩んでんだ!



今までの俺じゃありえないような考えに笑みがこぼれた。

百合がこんな俺にしたんだよな・・・




「えー何笑ってんの陸くんきもーーーいっ」



広樹が俺の顔をのぞいて茶化してきた。



「・・・うるせーなぁ・・・とっとと行くぞ!」



目の前を塞いでいた広樹の肩を乱暴に掴んだ。


その時、国道の方から4、5台の単車がこっちに向かってくる音がした。


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