下僕主とツンデレ超えた召喚物
第三戦、“美しさの王女”


(一)


『イヤッホー!と、失礼、取り乱しました。が。取り乱せずにいられるか、この状況。なんと、無名たるガキが三回戦にまで上り詰めやがったワケ。

ついにはジャラシーさんの登場。えー実に何ヶ月ぶりだっけ。あー、いいや、ついに待ち焦がれたあの召還者もお目見えですよ。私、もうビンビンなワケ。

さてさて、登場しちゃってください、ジャラシーさん』


三回戦目、見慣れたグラウンドに響く、聞き慣れたアナウンス。


ただ今回はやけにテンションあげあげ風だ。


野次馬だってそう口笛ふかしたり、やーやー騒いでいる。


なんだ、何が現れるというのか。


こくりと唾を飲んで待ち構えれば、向こうからでてきたのはスラッとした男。


赤いジャケットが目立つ男は赤い帽子を目深に被り、ついと俺たちを見た。


< 216 / 319 >

この作品をシェア

pagetop