上司に恋しちゃいました
閉ざされた心
帰路の途中で、ケータイのディスプレイがピンク色に光った。


メール受信を知らせるピンクのイルミネーションは、以前は拓也専用の色だった。


今は鬼の王子専用。



あたしは空虚な気持ちで受信箱を開いた。



【いつものホテルで会おう】



胸がざわついた。



どうして今日? もう夜も遅いし明日会社もあるのに。



やっぱりキスしていたことについて言及されるのだろうか?



けれど鬼の王子にあたしを批難する権利なんてない。



あたしが誰と付き合おうが、誰とキスしようが、誰と寝ようが……



鬼の王子にはあたしを束縛する権利なんてない!
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