上司に恋しちゃいました
すれ違い
――――・・・



会うと、人目を避けるようにすぐにホテルに入る。



外で食事は取らない。



そう薦めたのはあたし。



いつどこで知り合いと鉢合わせになるか分からないし、恋人のようにデートするのが嫌だった。



あたし達は恋人じゃない。



鬼の王子には本命が存在する。



それなのに、愛されていると錯覚してしまいそうで怖かった。



これ以上好きになるのが怖かった。



自分への戒め。この恋は……決して許されるものではない。
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