私がヒールをぬいだ時
元カレ曼陀羅
田舎に戻って来たからには…避けては通れぬ道がある


それは元カレとの遭遇


私はそれが嫌で用事以外はあまり外に出ないようにしてる…


1番厄介なのは…うちによく出入りする町の電気屋さんである


ここの息子は私より二つ下…実は高三の時私はこっそり高一の彼と付き合っていた


月日は流れ、息子は親の後継ぎになり、うちにも出入りしている。中原つかさ、33歳、元カレである


梅雨のど真ん中、二階のクーラーが壊れた


私は大型電化店で買おうとしたが、お母ちゃん達に中原さんとこ頼まなあかんやろ!と抗議をうけた…お母ちゃんは即中原さんに電話をして、来てもらった


そして今、二階には元カレ、元カノがクーラーについて話し合ってる


『今はムーブアイがオススメやなあ。まあこっちのカタログのもええねんけど』


『勝手に掃除してくれるのと、空気清浄機ついてるのがええな』


『ほなこれやな。なんや…まだ花粉症治ってないんか』


『うん、春は大変やわ』


つかさはニヤニヤ笑ってる…


『何わろてんねん』


『ひかるのクシャミは可愛かったなあ思て』


『なんやねんな…もう結婚してんねんやろ?変な事思い出さんといて』


『残念、俺バツイチや。浮気ばれてん。で逃げられたわ』とつかさは笑った


『相変わらず女ったらしやな…しまいに刺されんで』


『ひかるがG市帰って来てる聞いてドキドキしたわ〜。元カノって響きええやん?』


『あほか、あんたは…さっさとクーラー取り外してや新しいのはいつになるん?』


『あさってやな。このタイプのは。でもまけとくよ。ひかるのために』


『ちゃんとやってよ?頼りになるんかいな!』


『任せとけて。快適な夏過ごさせたるわ』


つかさと別れたのはもちろん!コイツの浮気が原因だ!
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