二藍蝶

腕時計†藍

「アイ、今日
 何時まで時間ある?」

彼女の細い腕に不似合いな
男性物の腕時計・・・

その時計に、私は違和感を
憶えたが、彼女自身は
いつも見ているように
自然と時間を確かめる。

「夕食に
 間に合うようには
 帰らないと・・・」

「じゃあ、一時間半ぐらいは
 話せるかなぁ、大丈夫?」

「はい・・・」

畏まる私に、彼女は言う。

「そんなに
 緊張しなくていいよ
 
 私達、同学年だから・・・」

「本当?
 カガさん、大人っぽいね」

「ヒロ
 そう呼んでって
 私、言わなかったかなぁ?
 
 ヒロでいいよ

 私も、サワイさんの事を
 アイって呼ぶから
 いいよね?」

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