レス―Q
第1不審火-伊勢九古
【消防の心得-1】





「次の方どうぞ~」







今はまだ
夏の暑さが残る
9月中旬のこと…






ここに
どこの情景でも
あるような
面接試験が
執り行われていた。






場所は市内の
南片瀬消防署。



取り分け
どこにでもあるような
普通の消防署にて、
来年度の新入社員を取る
面接採用試験の
真っ最中だ。






呼ばれた青年は
心に強く想いを秘め
面接室のドアを開けた。






「失礼します」





中の入ると
面接官と目が合い、

それに対し
深々とお辞儀を見せた






「伊勢九古
(いせきゅうこ)です。

本日は
ヨロシクお願いします」







すると面接官は
気楽に返事を返した。






「はいどうも。

緊張せず
ゆっくり私の質問に
答えてね」






九古と名乗った青年は
特に緊張はしていないが
素直に返事をした。






「はい」






その落ち着いた
雰囲気を見て、

面接官は
履歴書を眺めながら
話を進める。






「え~っと
伊勢九古君。
現在22歳…と…

両親は不在。
高校は…
市内の学校か…

大変な暮らしをしてる
みたいだね?」







「はい。
小さい頃両親を亡くし
施設で育ちました。

奨学金で高校に
通わせてもらい、

現在はアルバイトで
自分の生活を
支えております」






ハキハキ答えると
言うより
冷静に答えるこの様は、

最近の若い人にはない
独特の安定感が
見受けられていた
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