ボーダー
<ハナside>

キャンプ2日目。
メインイベントが目白押しだ。
まずは
「サバイバルオリエンテーション」。
通称「サバオリ」。

この広いキャンプ場の敷地内に一人ずついる先生を捜すことから始め、見つかったらゲームをして、勝てばポイントゲット。
負ければ罰ゲーム。
計10個のチェックポイントのうち、8個、なんとか回れた。
全勝ではないけど。

午後は班別対抗ゲーム大会。
これとサバオリでのポイント数を合計して、勝った班には賞品が、負けた班には罰として夕食に一品、変な物が加えられるのだ。

負けた私とミツとナナと美麗と悠那。

夕食のメニューであるハヤシライスにはナタデココが入れられた。


……意外に美味しかったから良かったが。


この後はいよいよキャンプファイヤー。
私たちのスタンツ、
「森のくまさん」
ならぬ
「森の大(おお)ちゃん」
も成功した。

先生たちのスタンツ

「飛行機」は、

かなり体を張っていた。

一通り終わった後はファイヤーの炎を囲んで
「マイムマイム」を踊った。

就寝の時間。

ジャージに着替えたときに、あみの腹部にあざがあるのを発見した。

私と、同じ目に遭ったときに出来たのか。

「『あんな最低な奴が好きなの?』
とか言われても構わない。
好きなものは好きだもん。
今どこで何してるのかはわかんないけど、いつかまた優しかった頃の奈斗に戻ってくれるって信じてるから。

優しい奈斗に戻ってからも、私の気持ちが変わらなかったら、その時は。
ちゃんと奈斗に好き、って言うの。」

有海……

なんか一晩で強くなった気がする。


キャンプ最終日。

最後の炊事を精一杯やり、場内清掃と退村式を終え、塾に戻って反省会という名の2次会をした。


長いようで短かった夏休みは終わり、2学期。


2回目の体育祭は私たちのクラスが学年優勝した。
合唱コンクールでも最優秀賞、さらにレク大会でも優勝できた。

有海たちのクラスも学年準優勝だったり、優勝を獲ったりとすごい活躍だった。


そして私たちは、中学最後の春を迎えた。

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