俺様と奏でるハーモニー
お局様とご歓談


保健室のドアの前に立った。


プレートは『在室』になっている。


ノックして、声をかけると、「おはいりください」という優しい声。


意を決して入ってみたら。


あれ? 私の声?






「森本先生、わからないところがあるなら、私で良ければ説明するけど……」


「私は五十嵐先生に聞きたいの!

それ位察してよ〜。同期でしょ?」


「同い年だけど、同期ではないわよ。

初任研を一緒に受けた仲間のことを、同期って言うの。

普通の会社だって、たとえ同時に入っても正社員とバイト・派遣社員は『同期』なんて言わないでしょ?」


「どうせ私は試験に4回落ちたバイト教員よ!

そうやって芹沢先生はいつも私を見下してたんでしょ?

最低よね!」



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