僕はいつでもキミの傍に
6 柏木 瑞穂
ガヤガヤと騒がしい繁華街を、人を掻き分ける様にして歩く。
あれから綾子と彼と三人で、特に目的も無く駅前をブラブラしていた。
空には眩し過ぎる太陽が照り付け、熱を吸収したアスファルトが体をジリジリと炙る。
……暑い。暑過ぎる。
体の至る所から汗が吹き出し、喉は渇き足はふら付く。
「……ねぇ。ちょっと休憩しない?」
私の呼びかけに……この暑い中、元気一杯にはしゃぎ回る綾子と、体質なのか……たいした汗も掻いていない彼が振り返った。
「具合悪い?」
綾子が少し心配そうに私の顔を覗き込む。
「ううん。今日暑くて……喉が渇いただけ」
そう言って力無い笑みを返すと、綾子が意見を求める様に彼を見た。
「……そうだね。お茶にしようか」
優しく笑う彼の提案で近くの喫茶店へと向かった。