おしゃべりな百合の花
 龍一はバックミラーとサイドミラーで、尾行されていないことを確認しながらも、どう切り出すかを考える。


 実に忙しい。


「お前、誰かに狙われてるだろ?」


「はぁ?何言ってんの?そんな訳ないじゃない。」


 龍一の思いがけない言葉に、美百合は一層反発する。


「守りたいんだ。」


 しぶしぶ本音を告白し、すぐに後悔して溜息を漏らした。


「気がないなら…ほっといて。」


 プイと視線を龍一から外し、美百合はまた俯いた。


 この俺が、何故こんな小娘に振り回されなきゃならない?


 何もかもが思い通りに運ばないもどかしさにイラついた。


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