『父親は最低なヤツで…顔も見たくない』


 観覧車での美百合の言葉を思い出した。


 どうしようもなく美百合の事が気になって、龍一は早々に朝食を済ませ、美百合のアパートへ向かった。


 凹んで自宅で塞ぎこんでいるだけならいい、だがもし、昨日の奴等に何かされていたら…もしくは連れ去られ、今頃どこかに監禁されているのだとしたら…


 想像しただけで、気が変になりそうだった。


 美百合のアパート前に、車を停車してエンジンを切るなり運転席から飛び出して、アパートの階段を勢い良く駆け上がった。


 インターフォンを押しても、部屋の中は静まり返って物音一つ聞こえない。


 不安は一層龍一の中で膨張し、ドアの前をウロウロしてはドアを叩き、ウロウロしてはドアを叩きを、何度も繰り返した。


 挙句の果ては、インターフォン連打。