おしゃべりな百合の花
 痛いところを突かれた龍一が、次なる言葉を捜して思考を巡らせていると、


「本当に、一日付き合ってくれたら、きっぱり諦めますから。」


 また彼女が、強い意志を込めた言葉を、龍一に投げかけた。


「わかった。明日の朝食後、お前に付き合うよ。」


 龍一はしぶしぶ承諾し、再び新聞を手にし、冷めてしまったパンを掴んで食事を再開しようとした。


 が、何か思い付き、再び彼女を視界に捕らえると、


「いいか、食事中は、絶対に話しかけるな。」


 念を押すように、脅迫ともとれる口ぶりで言った。


「はい。」


 龍一の威圧感にも全く動じることなく、彼女は嬉しそうに微笑んだ。






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