ハフピスライン
黒い焔
一人の牢獄。

ルルシーは私が戻ってきたらいなくなっていた。恐らく連れて行かれたのだろう。

私は昨日投与された薬を再度注射された。昨日と違い1本だから全然余裕。しかしこの後、サイスマス直々の調教が始まるらしい。
投与したヒューマ型の女が言っていた。サイスマスの調教は最低最悪。死ぬよりも苦しいらしい。薬なしでは気がおかしくなるそうだ。

あの下種がするようなことだ、確かにそうだろう。けど私には関係ない。絶対に調教などされてためるか。

一応、周りに落ちている物や、牢獄の一部で小さなナイフを作り携帯している。いざとなればこのナイフで殺す。
そう思っていた直後、ちょうど誰かがきた。

私の迎えかと思ったがどうやらルルシーのようだ。

いつものように乱暴に放り込まれる。

「大丈夫か……」

放り込まれたまま動く気配のないルルシー。いやわずかに震えているように見える。
私はルルシーにゆっくりと触る。

「あは、あはは。まだ、まだね。まだ大丈夫。もっともっと……あははは」

ルルシーに触れた瞬間、飛びかかってくる勢いでしがみついてくる。
息も尋常ではないし、しかも目がどこを向いているのか、何を見ているのか、何が映し出されているのか全く分からない。

これが精神の壊された者。本当に酷い。
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