依存~愛しいキミの手~
「うっそ…!!」


美香が目と口を見開いて驚いた。


自分で説明してて、すっごく恥ずかしくなって膝に顔を埋めた。


「えーちょういい雰囲気だったんじゃん!私なら絶対ちゅうしたね(笑)」


ケラケラ笑いながら、ジュースのストローをよけてグラスに口つけて氷を頬張る美香。


「もう、本当に死ぬほど恥ずかしかったんだよ!!ちょー心臓バクバクで、思考回路止まってたよ」


ストローで一気にミルクティーを飲み、手で顔を仰いだ。


「…でも、何か安心した。」


美香がテレビの画面を見つめながら優しく微笑んで言った。


?


その優しい顔のまま私に視線を向ける。


「圭介さ、このまま恋愛できないんじゃないかって心配だったんだ。…春ちゃんは私も大好きだったから忘れないでほしい。…でも、いつまでも過去にできなくて縛られたままなのは、絶対春ちゃん望まないもん。それは圭介も分かってるから、年少出てきて明るかったんだと思う」





過去に縛られたまま…か…


「って、私たちそんな関係じゃないよ!」


私は顔の前で手を振り、慌てて否定した。


「あはは、私は次に進む相手があすかなら安心だけどね」


数時間しか関わっていないのに、私のことを信頼してくれてるのかな。


何かその言葉が、イコール仲良い友達と思えて嬉しかった。
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