依存~愛しいキミの手~
リビングに行くと、美香が小さい女の子と遊んでいた。


「あ、ほら来たよ。あすかだよ、あーすーかー。私お風呂行ってくるね」


そう言って美香はリビングを出て行った。


「あちゅ!あちゅ!」


と言いながら私の方に寄ってくる女の子。


うわっかわいい!


「こんにちはー。お名前は?」


私はしゃがみこんで話し掛けてみた。


「ふうかって言うの。風の花って書くんだ。まだちょっと話せないかな(笑)紅茶入れたから冷めないうちに飲んで」
さゆ姉がダイニングテーブルにショートケーキと紅茶を用意してくれた。


「あ、じゃあいただきます!」


椅子に座りケーキを頬張る私。


そんな私を、嬉しそうな笑顔で見つめるさゆ姉。


食べている時、さゆ姉と風花のことを色々話してくれた。


さゆ姉は今年18で美香のお兄さんと同級生だったみたい。


風花のことは16の時に産んだらしい。でも、妊娠発覚してすぐにお兄さんが少年院に入っちゃって、色々と大変だったとケラケラ笑っていた。


そんな話をしていたら、美香がお風呂から上がってきた。
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