依存~愛しいキミの手~

ペア

桜木町に到着した。


駅付近の適当な所にバイクを停め、面白さに名残惜しい気持ちを残しながら降りた。


パーカーを渡してバッグを受け取る。


「これ早速つけていい?」


圭介に香水を見せながら聞いた。


「貸してみ」


そう言って香水を手に取り、私の手を掴む。手首にシュッと吹きかけ、もう片方の手首とこすって首につけなと言われた。


わぁ圭介の匂いだ。


笑顔になって香水をバッグにしまった。


嬉しそうな私を見て、圭介が頭をなでた。


「香水をジッポに少しかけると、火つけた時香水の匂いすんだよ」


へえー。ジッポかぁ…。


圭介ジッポ使ってるよね。


美香が早くと手招きしたので、私と圭介は小走りで美香と優の方へ行く。


「あのエスカレーター上ると動く歩道があって、ランドマークに行けるよ」


私がエスカレーターを指差して言ったのと同時に、美香と優が手をつないではしゃぎながら走って行った。


かわいいカップルだなぁ。


そう思っていたら、圭介が手を差し出してきた。


「つなご」


優しく笑い差し出す圭介の手に、自分の指を絡ませた。



動く歩道に乗ると、美香と優のテンションが更に上がる。


「あれ、船だよね?」


日本丸を見つけてさわいでいる。


ランドマークの入口についた。


美香がトイレに行くと言うので、私もついて行った。
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