ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~

├警護団長の溜息

 桜Side
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御階堂家にて――。


櫂様や馬鹿蜜柑と3人で何とかあの赤い瞳の気味悪い男を叩きのめし、駆けつけた裏門のベンツ。

そこでは玲様が芹霞さんを抱き、声を上げていた。


彼女は激しく熱を出し、仰け反るようにしてビクビク痙攣していて…どうみても、尋常ではない様子。


肉体的に危険な状況だった。


玲様は破った自分の服の切れ端を芹霞さんの口に詰め、舌を噛みきらないよう、処置を施していた。



――折角……死から蘇ったのに……何だよ、これ。一体何だって言うんだよ!?


玲様の搾り出すような悲痛な声に、場の空気は凍り付いて。


死……と言いましたか、今。



芹霞さんは死んでいたと?




騒ぐ馬鹿蜜柑。


言葉を失う櫂様。



そんな対照的な2人を前に、

私はただ玲様に祈るしか出来なく。


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