ベッドシーンモデル あずさ×優の場合
5.メールの中身
文化祭の準備が本格的に始まり、私と優は仕事場で会うことがなくなった。


私が来る時は 優が来れず、逆に優が来る時に限って 私の帰りが遅くなり、仕事場に行けなかった。


すれ違ったまま 文化祭が近づいていく。



鈴木くんは、帰りが遅くなるたびに 家まで送ってくれる。


教室で、一緒に帰ろうと話しかけられたらイヤだなーと思ってたら、みんなの前でそういうことは言わないで、みんなと別れた後 そっと隣にきて一緒に帰って行く。


鈴木くんは人の心を察してくれて、けして人が嫌がることはしない とっても優しい人。


冗談も言いやすくて、最近はざっくばらんに何でも話せるようになっていた。


呼び方も 鈴木くんから、鈴木、そして今は 航太と変わり、航太も私のことを あずさと呼ぶようになった。



いよいよ明日は文化祭当日。


教室の隅には、お墓やら 井戸やら 棺桶やら 怪しいものがズラッと置かれている。


今日は、教室の最終的な飾り付け。
机を迷路のように並べ、お化けが隠れる位置をチェックし、窓やら周りに黒い幕を張り、おどろおどろしい 飾りを付けて行く。


受付の机の横にも 日本のお墓と外国のお墓をサイドに置き、教室の中が見えないように幕をかけた。
< 39 / 75 >

この作品をシェア

pagetop