君はガラスの靴を置いていく

└夏の風物詩




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川沿いに近付くと夜空に打ち上げ花火が上がっていた。しかも夜だからすごい声も響いてくるし。


『お、宮澤来た来た』


まるが俺に気付いて手を振っている。

誰が居るか聞かされてなかったけど、顔馴染みの
いつもつるんでるメンバーだった。



『みや、遅いよっ。もう花火半分終わっちゃったし』


明日香の格好はショーパンにTシャツ。それにヒールが高いサンダルを履いてスラッと伸びた足が見えている。

こいつ、スタイルだけは本当にいいんだよな。


『あれ、なんで宮澤まだ制服なの?』


同じクラスの男子数名につっこまれた。

勿論、俺以外は全員私服。


『だって、今学校帰りだし』


俺は草むらに置いてある花火を手に取って火を付けた。それと同時に白い閃光が目に光る。

この火薬の匂いは夏が来たって感じがして好き。



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